「幸福」について
一橋大学大学院の楠木特別教授が、ある雑誌に投稿された「幸福」に関する記事がとてもわかりやすかったので、ここで紹介させていただきます。
幸福は人生最大の関心事と言えます。良い人生を実現するための条件として、何よりも重要なのは、自分なりの価値基準をしっかりと確立することです。そのためには、知性や教養を身につける必要があり、さまざまな経験や実践、読書などを通じて、地道にこれらを培っていくことが大切だと楠木教授は述べています。
この考えは仕事面においても通じるものがありますが、以下の3つの考え方を特に重要視しています。
- 他人の幸福と比較しない(SNS依存には要注意)。
- うまくやろうと気負わず、人生や仕事はなるようにしかならないが、なるようにもなると考える。
- 苦しい時や崖っぷちに立たされたとしても、「待つ力」を持ち、淡々と時間を過ごすこと。いつかは窮地を脱すると信じること。
これらの話は非常にわかりやすく、自分自身の経験や、これまで多くの人と関わってきた中で、私も強く共感し、考えていたことです。自分自身が幸福を感じていなければ、他人を幸福にすることは難しいですが、今のご時世において自分の価値基準をしっかりと確立させることの重要性を改めて感じます。
幸福については、多くの偉人がそれぞれ異なる表現方法を用いながらも、言わんとするところは共通しています。以下はその例です。
- ダンデミス:「他人の幸福をうらやんではいけない。なぜなら、彼の密かな悲しみを知らないから。」
- ラ・ロシェフコー:「幸福になるのは、自分が好きなものを持っている状態。」
- フレデリック・バース・バーグ:「2要因理論では、ビジネスパーソンなどの満足感や幸福感が高まる最大の要因は、「人に信用されること」と「本人が実践すること(仕事など)自体に意義を感じられること」。」
- ゴッホ:「美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけるんだ。」
- ヘミングウェイ:「心の底からやりたいと思わないなら、やめておけ。」
- チャップリン:「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。」
尾庭
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